2014年3月28日
日本の再設計を先導するリーダーの育成
本日、当会専門委員会である「葛西委員会」は、『日本の再設計を先導するリーダーの育成』と題する報告書を発表した。リーダーシップを巡っては様々な見方、考え方がある中で、いま国家・日本経済の変革を先導していけるリーダーとはどのような資質を身に付けた者か、そして良いリーダーをこれから如何に育成すべきか、異なる立場・多角的な視点から忌憚なく議論してきた成果を踏まえ、最終的な提言として取り纏めたものである。
〔葛西委員会メンバー〕
委員長
葛西 敬之 東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長
主 査
矢作 恒雄 作新学院大学副学長・大学院経営学研究科長、慶應義塾大学名誉教授
委 員(五十音順)
梅津 光弘 慶應義塾大学商学部准教授
大塚 宣夫 医療法人社団慶成会会長
グレン・S・フクシマ 米国先端政策研究所上級研究員
小島 順彦 三菱商事株式会社取締役会長
ジョージ・オルコット 前東京大学先端科学技術研究センター特任教授
杉山 武彦 成城大学社会イノベーション学部教授
永井 良三 自治医科大学学長
永瀬 昭幸 株式会社ナガセ代表取締役社長
山田 英雄 一般財団法人JP生きがい振興財団理事長
オブザーバー
松田 義幸 尚美学園大学学長
〔報告書目次〕
はじめに
提 言
Ⅰ 日本のリーダーに関わる問題
1 戦後高度成長期の成功体験の遺産
(1)「平和」の中での調整役
(2)日米安保条約を前提とした平和への安住と経済発展
(3)「Me-too戦略」が最も効率的かつ効果的な戦略
(4)目的は常に所与(国、産業、企業、個人 = 経済大国)
2 国際社会で通用する人材の不足
(1)日本人の考えてきた「国際化」の視野の狭さ
(2)国際社会で通用するリーダーの欠如
(3)構想力・システム構築力・戦略的思考力の欠如
(4)日本の歴史・文化・教養教育の欠落
(5)英語によるコミュニケーション能力の欠如
(6)討論能力の欠如
(7)農耕民族の長所の限界
3 戦後の科学技術偏重教育の遺産
4 世界に誇れる日本人の特性、日本の歴史・文化・伝統への自覚と自信の喪失
Ⅱ 提言の前提となる基本的概念
1 「良いリーダー」とリーダーシップ
(1)リーダーシップの定義
(2)良いリーダーとリーダーシップの峻別
2 リーダー論の変遷と本委員会の立場
3 「良いリーダー」とは
(1)普遍的資質・能力
(2)状況対応の「リーダーシップスタイル」
Ⅲ わが国が今必要とする「良いリーダー」とは
1 期待されるリーダーの役割
2 期待される「良いリーダー」の資質・能力
(1)資質・能力
(2)「良いリーダー」が演ずべき機能
(3)持続可能な「良いリーダー」の条件
Ⅳ わが国が今必要とする「良いリーダー」の輩出方法
1 良いリーダー輩出機会の提供
2 対象者
3 教育の場
(1)教育機関
(2)家庭と職場
4 教育の方法
(1)自ら考え自ら解を見出させる場の提供
(2)科学的根拠に基づく方式
Ⅴ おわりに
講師講演録(※役職名は講演当時)
1.変革期のリーダー
東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長 葛西敬之委員長
2.教育基本理念の検討
尚美学園大学学長 松田義幸オブザーバー
3.日本の競争力とグローバル人材
エアバス・ジャパン株式会社取締役会長 グレン・S・フクシマ委員
4.リーダー育成 研究レビューと提言
慶応義塾大学名誉教授 矢作恒雄主査
5.日本の創造に向けたグローバル人材育成~ビジネスの現場から見たグローバル人材(講演骨子)
三菱商事株式会社取締役会長 小島順彦委員
6.リーダーの育成
株式会社ナガセ代表取締役社長 永瀬昭幸委員
7.リーダー育成のための教育再生
財団法人ジェイ・ピー・ファミリー生きがい振興財団理事長 山田英雄委員
8.日本の大学のグローバル化:ヨーロッパから学ぶべきことはあるか?
東京大学先端科学技術研究センター特任教授 ジョージ・オルコット委員
9.CSRと新たなリーダーシップ教育:国連PRMEと新しい経営教育の方向性
慶応義塾大学商学部准教授 梅津光弘委員
10.医学と科学におけるリーダー養成
自治医科大学学長 永井良三委員
11.リーダーの育成と大学改革
成城大学社会イノベーション学部教授 杉山武彦委員
12.私の考えるリーダー育成論
医療法人社団慶成会会長 大塚宣夫委員
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