2005年1月27日
財政破綻の克服へ向けて
本日、当会の調査専門委員会である「浜田委員会」は、『財政破綻の克服へ向けて』と題する政策提言を発表、記者会見を行った。
本報告書では、財政赤字拡大の要因とその影響をマクロ経済学を通して分析し、財政再建のためには、まず早急にデフレから脱却して、プラスの名目成長率を達成する必要があること、次に厳しい歳出削減と増税の実施、さらに少子化に向けた、歳出構造の転換、社会保障制度改革の必要があることを提言している。
この提言が関係各機関ならびに国民に広く認識され、活発な議論を喚起して、財政再建に向けての着実な前進が行われることを願ってやまない。
〇浜田委員会メンバー
委員長:浜田 広 ㈱リコー最高顧問
主 査:深尾 光洋 慶應義塾大学商学部教授
委 員:経済界、学界の有識者18名にて構成*(詳細は後記)
〇報告書目次
〔基本認識と提言〕
はじめに
第1章 財政赤字拡大の背景とマクロ経済
1.財政収支の現状
2.財政赤字拡大と貯蓄投資バランス
第2章 財政赤字と日本のソブリン格付け
1.「ソブリン格付け」
2.日本のソブリン格付け
3.財政赤字と格付けの関係
4.格下げの影響
第3章 財政バランスと景気回復シナリオ
1.日本経済の現状
2.GDPギャップとデフレ予想
3.景気回復の2つのシナリオと財政バランス
第4章 デフレ脱却へのマクロ政策:財政再建の前提条件
1.ゼロ金利下での景気拡大政策
2.デフレ脱却政策の優先順位
第5章 財政再建の構造的側面:公的年金改革への視点
1.公的年金の財政状況
2.公的年金悪化の背景
3.公的年金の財政方式
4.財政改革と社会保障制度改革
第6章 財政破綻克服への提言
〔各 論〕
第1章 財政破綻のリスク(深尾 光洋氏)
第2章 我が国の公的債務と債務管理政策(森本 学 氏)
第3章 財政と長期金利について(富田 俊基 氏)
第4章 ソブリン格付け(原田 信行氏)
第5章 途上国における債務不履行問題(伊藤 隆敏氏)
第6章 税制と歳出見直し(跡田 直澄氏)
第7章 財政破綻を防ぐ地方分権改革の課題(土居 丈朗氏)
第8章 公的年金制度改革の論点(藤井眞理子氏)
第9章 景気回復の2つのシナリオと財政バランス(深尾 光洋氏)
*浜田委員会委員ならびに講師名簿 (五十音順・敬称略)
委員長 浜田 広 日本経済調査協議会理事、㈱リコー最高顧問
主 査 深尾 光洋 慶應義塾大学商学部教授
委 員 荒木 浩 日本経済調査協議会副理事長、東京電力㈱顧問
植松 富司 コニカミノルタホールディングス㈱取締役会議長
大塚 陸毅 日本経済調査協議会総合委員、東日本旅客鉄道㈱代表取締役社長
金子 昌資 日本経済調査協議会総合委員、㈱日興コーディアルグループ代表執行役会長
栗田 瑞夫 ㈱ジェムコ日本経営監査役
櫻井 孝頴 日本経済調査協議会理事、第一生命保険(相)相談役
佐藤 正敏 ㈱損害保険ジャパン取締役常務執行役員
高橋 温 住友信託銀行㈱代表取締役社長
田波 耕治 国際協力銀行副総裁
関 哲夫 新日本製鐵㈱常任監査役
塚田 裕昭 ㈱UFJ総合研究所調査部研究員
土居 丈朗 慶應義塾大学経済学部助教授
奈良 久彌 日本経済調査協議会総合委員、㈱三菱総合研究所特別顧問
原田 信行 筑波大学大学院システム情報工学研究科講師
福島 吉治 日本経済調査協議会総合委員、㈱CSK特別顧問
藤井眞理子 東京大学先端科学技術研究センター教授
南 敬介 東京建物㈱代表取締役社長
宮部 義一 三菱樹脂㈱前顧問
講 師 跡田 直澄 慶應義塾大学商学部教授
伊藤 隆敏 東京大学大学院経済学研究科教授
富田 俊基 ㈱野村総合研究所研究理事
森本 学 財務省審議官
(参考)本報告書〔B5版 220頁〕をご覧になりたい方は、下記連絡先までお問い合わせください。
【連絡先】社団法人日本経済調査協議会
TEL:03-3442-9400 FAX:03-3442-9403
e-mail:調査部